そもそも「ハードウェアアクセラレーション」って一体なに? ハードウェアアクセラレーションとはコンピュータにおいて、画像描画といった膨大な数のデータ処理が求められるプロセスを専用のハードウェアに任せることによってCPUにかかる負荷を減らしてシステム性能をより向上させる技術のこと。そうすると、複数のソフトを同時に使用している場合にも、CPUの能力が分散されなくてお使いのPCをいつでもサクサク快適にしてくれる。
一方、現在、ハードウェアアクセラレーション機能が搭載されているソフトがどんどん増えておる。例えば、メディアプレーヤー、CADソフト、DVD/動画関連ソフト、ウェブブラウザーなど…そこで今回は、ハードウェアアクセラレーション技術がDVD/動画関連ソフトへの応用、さらにはGPUアクセラレータを使用するDVDコピー/変換ソフトもまとめて解説していく。
なぜ、DVD変換やコピー中にハードウェアアクセラレーションが必要不可欠なのか?
一般的にDVD変換効率を向上させるためにCPUのみで処理することができるのに、なぜわざわざプロセス中にGPUアクセラレーションを導入するのか?またDVDやほかの動画形式のエンコードでハードウェアアクセラレーションを使用することにより、動画変換/エンコードのパフォーマンスが本当に上がれるのか?ということでこれからはGPUアクセラレータで何ができる?ハードウェアアクセラレーションのメリットとは何かついて簡単に説明する。
変換速度UP |
古い低スペックPCでもサクサク動く |
DVDドライブの寿命を延ばす |
CPU使用率を下げる
@ ハードウェアアクセラレーションはDVDビデオ・画像処理をさらに高速化
通常の汎用プロセッサ (CPU) 上で動作するソフトウェア(コンピュータ・プログラム)による実装で処理したのではレイテンシやスループットが遅い、消費電力が大きい、などといった問題があるような場合に、実装による支援で実行速度などを加速(アクセラレーション)し、システム全体の性能や効率を向上させる。なぜかというと、CPUによるソフトウェアの実行では、CPUが備えるプリミティブな命令の並びで処理を実現し、その命令を逐次的にひとつずつ実行する。一方ハードウェアによるアクセラレーションでは特定の処理のための専用のハードウェアを設計し、そのハードウェア内では回路の並列性を生かして演算を並列に行うことで、逐次的な命令実行の場合よりはるかに高速に演算を実行するということだ。
特に、動画再生やDVDリッピングの場合、ハードウェアアクセラレーションにより、CPUの負荷を減らしながら、元の画質や音質の劣化を最小限におさえ、高速で快適に動画再生したり、DVDリッピングしたりすることができる。それでは、一体ハードウェアアクセラレーションでビデオ処理をどのぐらい加速できるのか?例えば、Sony VegasまたはVideoFX Music Video Makerで30秒のAVC(.MP4)のビデオファイルをレンダーリングするときに、CPUとGPUが同時に動作すれば、処理速度はCPUより4〜6倍くらい速い。
なお、ハードウェアアクセラレーション機能を搭載するWinX DVD Ripper PlatinumでDVDリッピングするのはどうなるだろうか?それで、Windows PCで132分くらいのコピーガードのかかっている映画DVDを使ってリッピングをテストした。その結果は以下のとおり:
PC条件: Windows 10 (64-bit); Intel® Core(TM) i7-8700K CPU; 16.0GB RAM
テスト結果:Nvidia NVENCハードウェアアクセラレーションで8分45秒、385 FPS, Intel Core i7-8700K CPUだけで16分29秒、201 FPS。
つまり、DVDリッピングする場合、GPUアクセラレーション機能を使用するエンコードはCPUでエンコードするより1倍くらい速くなる。
※ご注意:
・ 1枚だけのDVDをテストした。
・ CPUとGPUの種類や性能によってテスト結果も変わる可能性がある。
簡単に言えば、ハードウェアアクセラレーション(GPUアクセラレーション)がなければ、サイズ(容量)の大きい動画の変換処理が行われる際にはとても大変。
A 古い,性能も劣るPCでもDVDコピー/変換がサクサク動く
そもそもCPUのみを使ってDVDエンコードすると、高画質な動画を出力できるが、非常に時間がかかる。さらにはCPU性能が低いとプロセッサーの負荷も大きすぎて,時にはPC自体がフリーズして、DVD変換ができなくなってしまう場合もある。それに対して、GPUのみでDVDエンコードすると処理時間が短縮されるが画質が低下する。
ハードウェアアクセラレーション技術によりGPU(グラフィック処理ユニット)とCPU(プロセッサー)を併用するなら、動画エンコードのパフォーマンスが大幅に向上され、エンコードにかかる時間が短くなるだけではなく、画質劣化を避けることもできる。また、ハードウェアアクセラレーションはGPUとCPUに対して要求スペックが低いため、ノートパソコンや低スペックPCでも長時間のDVDビデオを高速かつ画質を保ちながらエンコードすることができる。
インテル(Intel)製CPUが搭載する場合:
Sandy Bridge以降のインテル® Core™ i3 プロセッサー等に内蔵しているGPUにはQSV(Quick Sync Video)という機能がDVDなどのビデオを高速にデコード・エンコードすることができる。一方、リッピングソフトWinX DVD Ripper Platinumは、Intelの「Quick Sync Video(QSV)技術に対応し、本ソフトにおいて「Intel」のチェックを入れてから、CPU内蔵GPU「QSV」を動かしてシステムに負荷をかけずにDVD動画を同等の画質を保ちながら爆速でデコード・エンコードすることができる。
NVIDIA製GPUが搭載する場合:
NVIDIAのGPUアーキテクチャ「Kepler」から「Pascal」が全てハードウェアアクセラレーションっ対応。つまり、ご使用のパソコンにはNVIDIA GeForceかTITAN のグラフィックカードが搭載されるなら、NVIDIA 製 GPU のデコード支援機能により、でDVDデコード・エンコード処理を加速化している。一方、リッピングソフトWinX DVD Ripper PlatinumにおいてNVIDIAのハードウェアアクセラレーション機能を有効するために「nVIDIA」のチェックをいれて、CPUに負荷をかけることなくDVDデコード・エンコードのパフォーマンスが向上される。
ご使用のPCが、ハードウェアアクセラレーションに対応しているかどうか確認してみよう >>
インテル(Intel)製CPUに実装されたQSV機能がNVIDIA CUDAまたはAMD Stream GPUのアクレセラレータと同程度の速度で高品質な動画が出力された。またCPU使用率も引き下げた。
NVIDIAのKepler以降のGPUに内蔵されたハードウェアエンコーダー「NVENC」は、従来のCUDA アクセラレーションの後継として、動画エンコードの専用回路を載っているため、QSVEncと同様に、各種動画エンコーダに対応だけではなく、H.264、H.265/HEVCの対応や、DVDや4Kムービーも高画質かつより短い時間でエンコードすることができる。また、CPUを利用したエンコードよりも省電力になる。高画質・高速で変換したいときに最適!
B ハードウェアアクセラレーションによりDVDドライブの寿命が伸ばされる
デスクトップパソコンまたはノートパソコンでDVDを再生する時に、ファンが高速回転で音がうるさくなったり、温度が高くてパソコン突然シャットダウンしたりといった不具合が生じることが常にある。
その原因としては、DVDを読み込み中挿入されたDVDディスクがドライブ内部で高速回転するからだ。CAVモードでそれぞれのドライブの書き込み速度で計算すると、CDの場合200回転/分で、DVD の場合は575回転/分になる。DVDの1倍速は「1.385MB/s」に相当する。つまり、「1秒間に1,385キロバイト」の転送速度が基準で、4倍速なら「5,540KB/s」、16倍なら22,160KB/sのデータ転送が可能ということになる。またDVDが高速回転させるため、けっこう大きな風切り音が発生しうるさくて仕方ない。
光学ドライブは使用すればするほど消耗する、そしてDVDデータを読み込むときがかなり時間がかかる。特にパソコンの処理速度が遅い場合、DVD の読み込むが一層遅くなる。DVD-5(片面1層)はともかくとして、DVD-9(片面2層)なら映像が2時間くらいもある。そのDVDを読み込みこの2時間で、DVDが相変わらず高速回転していて消耗しているため、寿命は短くなり、より早く故障してしまう。
DVDをより長く使いたいなら、まず、DVDを読み込みながら再生するのではなく、事前にDVDをコピーして再生したほうがDVDの損傷を減らすことができる。また、WinX DVD Ripper Platinum のGPUアクセラレーション技術によりDVDの読み込む時間が短縮され、数分だけで大容量DVDが品質を保ったまま変換して再生できる。さらにWinX DVD Ripper Platinum はDVD読み込みプロセスを最適化したから、動作時消費電力を最小限に抑えながらDVD本体の温度が高くなることを避ける。それによってパソコンとドライブもより長く使えるし、DVDの寿命も伸ばされ、通常より長く保存できる。
C CPU使用率を軽減、過負荷故障なしで正常動作を保証
実はソフトウェアデコード/エンコード処理が行われる場合に CPU使用率が著しく大きくなった。一部のDVDコピーソフトでDVDを変換する時、CPUの温度が最高で80°Cに上昇する。CPU使用率が高いほど、パソコンが重くなり、CPU温度が爆熱になって、電源が落ちる可能性がある。一方、GPUハードウェアアクセラレーション技術を使ってデコード/エンコードを行うとCPUやメモリの負荷がかなり下がる。従って、ハードウェアアクセラレーション対応のWinX DVD Ripper PlatinumでDVDコピーするなら、CPUに過度の負荷がかかることなく、DVDコピーすると同時に、音楽を聴いたり、ゲームをしたりしても、パソコンが故障なく正常に動作することができる。実験結果では、WinX DVD Ripper PlatinumでDVDをコピーする時、CPUの温度が約45°Cに維持している。