無料で使える音源分離ソフト6選|おすすめのフリーソフトは?
音源分離ソフトとは、様々な音が混じり合った音声データから、一つ一つの音を聞き分けて、不要なノイズを取り除いたり、ボーカルや特定の楽器のパートだけを抽出したり、混ざった音声から各単一話者音声を求められるものです。
現在、音源分離ソフトは様々があり、どのソフトを利用すればよいか分からないとお悩みではありませんか?
そこで今回は、初心者でも使いやすい無料の音源分離ソフト6つ(AI搭載)を紹介します。
目次
無料で使える音源分離ソフト6選|おすすめのフリーソフトは?
- 1. Adobe Audition(AI搭載)
- 2. Demucs(AI搭載)
- 3. Ultimate Vocal Remover(AI搭載)
- 4. Spleeter(AI搭載)
- 5. iZotope RX(AI搭載)
- 6. Audacity
音源分離に関するよくあるご質問
最後に:最適な音源分離フリーソフトを選ぼう
無料で使える音源分離ソフト6選|おすすめのフリーソフトは?
ここからは、無料で使える音源分離ソフト6選をご紹介します。まずは一覧表です。
- 音源分離ソフト6選(無料版)
- ➊.Adobe Audition(AI搭載)
- ➋.Demucs(AI搭載)
- ➌.Ultimate Vocal Remover(AI搭載)
- ➍.Spleeter(AI搭載)
- ➎.iZotope RX(AI搭載)
- ➏.Audacity
これから一つずつご紹介していきます。
➊. Adobe Audition:ボーカルや特定の楽器の音のみを抽出できる
開発元 | 対応OS | 無料トライアル | 日本語 | AI搭載 |
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アドビ社 | Windows&Mac | 7日間 | 対応 | 〇 |
Adobe Auditionとは、大手会社Adobeが開発しており、オーディオ編集に特化したソフトです。
音源分離に関しては、Adobe After EffectsやAdobe Photoshopと同様、音声をレイヤー化して、直感的で細かく編集できるのが特徴です。
センターチャンネルエクストラクターで楽器の音を削除したアカペラのトラックや、ボーカルを削除したカラオケのトラックを手軽に作れるだけではなく、AIでノイズを自動的に除去したり、人の音声だけボリュームを上げたりなどちょっとした音声を加工することも可能です。
メジャーな音声フォーマットに対応し、使い方が簡単で分かりやすくて、初心者でも簡単に操作できます。
➋. Demucs:1つの音声をドラム/ベース/ボーカル/その他に分離できる
開発元 | 対応OS | 無料トライアル | 日本語 | AI搭載 |
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Facebook AI Research | Windows&Mac | 無制限 | 対応 | 〇 |
Demucsとは、Facebook AI Researchが開発しており、AI技術を活用して複数の楽器で演奏・ミックスされた音楽をボーカル・ドラム・ベース・その他の楽器に分離して出力できるフリーソフトです。
ディープラーニングを活用した音源分離システムを導入するので、人によるレビュー・評価を基準とした分離後の音楽の品質において、これまでに報告されている音源分離のシステムよりも上回っています。
オープンソースのフリーウェアですが、日本語に対応し、機能が素晴らしくて、かなりきれいに音源分離ができるのが魅力です。
➌. Ultimate Vocal Remover:ボーカルとインストゥルメントを分離して書き出す
開発元 | 対応OS | 無料トライアル | 日本語 | AI搭載 |
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Anjok07とaufr33 | Windows、Mac、Linux | 7日間 | 対応不可 | 〇 |
Ultimate Vocal Remover(UVR)とは、Anjok07とaufr33によって作成され、複数の音声分離モデル(AI対応)を活用してボーカルとインストゥルメントを分離して書き出せるソフトです。
音源分離機能に関しては、音声ファイルからボーカルを除去したり、逆にボーカルのみを取り出したりすることが可能です。
ボーカルと楽器の音を分離するために基本的な流れは次の様なステップとなります。「ファイルを選択」→「保存先の設定」→「拡張子の設定」や「その他設定」→「変換開始」。ただ5ステップだけで作業が完了で、初心者の方でもすぐに使い始められます。
➍. Spleeter:楽曲を楽器別に分離できる
開発元 | 対応OS | 無料トライアル | 日本語 | AI搭載 |
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Deezer | Windows、Mac、Linux | 無制限 | 対応 | 〇 |
Spleeterとは、フランスの音楽配信サイトDeezerが開発しており、任意の楽曲をボーカル、伴奏、ドラム、ベース、ピアノ、その他の楽器などのパート毎に分離されて高音質で出力できる音源分離ソフトです。
Pythonで書かれているため、Spleeterを活用する前に、そのプログラミング言語をパソコンにインストールする必要があります。
また、Tensorflowを導入して、1つの楽曲から各楽器のトラックを自動的に抽出できるのが魅力です。それに、パラメーターの調整などのオプションが提供していて、質の高い分離音源を出力することが可能です。
➎. iZotope RX:音源からボーカルやドラムなどのパーツを分離できる
開発元 | 対応OS | 無料トライアル | 日本語 | AI搭載 |
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iZotope | Windows&Mac | 30日間 | 対応不可 | 〇 |
iZotope RXとは、iZotope(米国)が開発しており、AIの機械学習アルゴリズムを導入するので、楽曲からボーカル、ベース、ドラム、ギター、ピアノなどのパーツを自動的に分離できるソフトです。
「Music Rebalance」機能を活用して、ミックス済み音源を楽器ごとに分離できるだけではなく、個別に抽出・保存したり、消したり、音量バランスを変更することも可能です。また、ノイズ除去機能も抜群で、ボーカルトラックに混入しがちな様々なノイズを5つのステップで除去できるのが魅力です。
絶えず更新されるため、より精度の高い解析を行え、分離のクオリティも飛躍的に上げています。
➏. Audacity:音源からボーカルを低減・分離できる
開発元 | 対応OS | 無料トライアル | 日本語 | AI搭載 |
---|---|---|---|---|
Muse Group | Windows、Mac、Linux、 GNU、FreeBSDなど |
無制限 | 対応 | X |
Audacityとは、Muse Groupが提供しており、多機能でマルチトラックに対応しているオーディオサウンド編集ソフトです。
音声編集がメイン機能で、音声ノイズの除去、マルチトラックのミキシング、ボーカルリムーバー(ボーカルの低減と分離)、音声のカット・複製・結合、エフェクト追加、外部音声の収録などの機能をしっかり備えています。
音源分離に関しては、非常に簡単で、わずか3つのステップで、PCで一部のステレオトラックでのボーカル(録音のボーカル)を分離できます。一方、専門的な音源分離ソフトではなくて、曲からボーカルを完全に抽出できないケースもあります。
音源分離に関するよくあるご質問
ここからは、音源分離に関してよくある質問についてQ&A形式で紹介します。
➊. 音源分離とは何ですか?
音源分離とは、様々な音が混入していた状態から個々の音を分離して取り出す技術のことです。
音源分離の手法は2つに分けられます。一つは引き算の考え方による手法です。もう一つは掛け算の考え方による手法です。
➋. 音源分離とAIの関係は何ですか?
音源分離を行う際、AIは必要な手段の一つです。
機械とは違い、AIが人間の脳と同じように音の不可能を可能にできて、色々な音が混入していた演奏でもそれぞれ楽器の音を区別することが可能です。だから、殆ど全ての音源分離ソフトはAI技術を導入しています。
➌. 音源分離ソフト以外、他の音源分離を行えるツールってありますか?
はい、あります。
音源分離ソフト以外、音源分離サイト、及び音源分離アプリがあります。
音源分離サイトのおすすめ:LALAL.AI、ボーカルリムーバーAI(VocalRemover)、PhonicMind
音源分離アプリのおすすめ:Let's Unmix、Moises:ミュージシャンアプリ、MuSep
最後に:最適な音源分離フリーソフトを選ぼう
今回はおすすめの無料音源分離ソフトをご紹介しました。一言でフリーソフトと言っても、初心者でも手軽に利用できるAI技術搭載ソフトから、それなりに高度なオーディオ編集ができるソフトまで様々です。各ソフトの特徴・機能をよく理解してから、使用用途に合わせて、最適なものを選びましょう。
筆者が個人的におすすめするのはAdobe Audition。音源分離もオーディオコンテンツの作成や、編集、復元を行うことができ、機能面についても大変優れているにもかかわらず、Adobe Creative Cloud内の動画編集ソフト「Premiere Pro」と連動させて使えるという点が魅力です。
この記事を書いた人:鈴木玲子
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